ストーリーの力で共感を。
インナーブランディングで叶えるエンゲージメントアップとは? 

「リモートワークが増えて社員の帰属意識や一体感が薄れてきた」
「ビジョンやミッションを掲げたけれども浸透していない」
「アフターコロナのオフィスってどうしたらいい?」

コロナ、ジョブ型雇用など、激変する社会環境により、オフィスの意味や価値は見直され、従業員にとっての会社で働く意味も変化してきています。

そもそもインナーブランディングとは?会社と従業員をつないで企業の力を最大化するエンゲージメントの力を引き出す具体的な施策とインナーブランディングを空間へ体現させたユーザベースのオフィス作りの事例を交えて紹介します。

従業員エンゲージメントとは?

最近よく耳にすることが多くなった「従業員エンゲージメント」という言葉。重要な指標の一つだという認識はありますが、「従業員満足度」と似たようなイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。

「従業員エンゲージメント」とは自分が所属する組織と自分の仕事に熱意をもって、「自発的」に貢献しようとする従業員の意欲と定義できます。この「自発的」というところがポイントになります。

提供:CINRA, Inc.

では、次に「エンゲージメント」と「従業員満足度」の違いはどのように考えれば良いのでしょうか。

以前からよく使われている「従業員満足度」という指標は、会社が社員をある種、お客様というような意味合いで捉えており、双方に向き合うようなイメージで作られています。つまり、会社側が従業員に対し、福利厚生や、働きやすい環境を用意する、それに対して従業員が「従業員満足度」という評価で会社を図るという指標です。

一方の「エンゲージメント」は会社と個人が同じ方向を向いているイメージです。個人が会社のビジョンやパーパスに共感し、同じベクトルへ向かう。会社の方向性に納得して共に進むということが大事だという、新たな指標です。

提供:CINRA, Inc.

従業員エンゲージメントが何故重要視されるのか

エンゲージメントという言葉を理解いただいた後、何故昨今この「従業員エンゲージメント」が重要とされているのかを見ていきましょう。

従業員のエンゲージメントが低下すると、企業にどんな問題が発生するのでしょうか?
コーン・フェリーが世界規模で行った実証研究から、企業の業績と従業員エンゲージメントとの間には、明確な相関関係がある事が立証されています。

提供:CINRA, Inc

この実証実験の結果を見ると、従業員エンゲージメントの高い企業と低い企業では、売上の上昇率、平均成長率、EPSなどに大きな差が出ていることが分かります。

つまり、エンゲージメントが高い会社ほど業績が良いと言えるでしょう。

従業員エンゲージメントが低下した会社では、短期的に見れば社員の転職リスクが高まるといった問題が発生し、もう少し長いスパンで見ていくと、業績も下降線を辿ることになるのです。

特に今回の新型コロナウイルスの影響でコミュニケーションの課題が浮上してきた今、エンゲージメントは重要だという認識が高まっているのです。

まずは会社の向かう方向への「共感」

「従業員エンゲージメントの重要性は分かるが、具体的にどうしたら良いのか?」
「どういった課題があり、どうすれば同じ方向を向いていけるのか?」
「そもそも何故同じ方向へ向いていないのか?」 
など、どこに課題があるのかを探る必要があります。

提供:CINRA, Inc

特にコロナ以降、コミュニケーションが一部疎遠になっている事もあり、「会社の方向性が分からない」「会社の李根年に共感できない」「自分の仕事にやりがいを感じられない」「価値観を共有できない」といった課題が多く見られます。

エンゲージメントの高い組織を作るには、会社の向かう方向性への「共感」が重要です。この共感を促すための効果的な手法としておすすめなのが、ストーリーの力です。

提供:CINRA, Inc

単に事実だけを伝えるのではなく、そこに「ストーリー」を盛り込むことで、理解の速さ、深い共感、記憶に残るようになるのです。

このストーリーを上手く活用した事例としてパタゴニアという会社があります。

アメリカのアウトドア用品のパタゴニアの創業者であるイボン・シュイナード氏が事業利益を気候危機対策に充てるために保有する全株式を譲渡すると発表しました。

これまで貫いてきた自社のパーパス(存在意義)をさらに追求し、「自然から価値あるものを収奪して投資家の富に変えるのではなく、パタゴニアが生み出す富をすべての富の源を守るために使用する」ことを選んだというのです。

全株式を譲渡というのは非常にセンセーショナルなニュースでしたが、このパタゴニアという会社は「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というパーパスがあります。

このパーパスが生まれたストーリーと、新規事業のストーリーが非常に上手く共感を生んでいるのです。

創業者が長年趣味としていたクライミング。この趣味を行うことで岩を傷つけてしまうのです。好きなことをすれば自然を傷つけるという矛盾を解消するために、岩を傷つけなくてもクライミングを楽しめる「クリーンクライミング」を提唱し、自然を傷つけないギアも開発しました。そこから同じく自然を守るため、農業もはじめたのです。

こういったストーリーがベースにあると、従業員も顧客もパーパスに共感し、大事にしてコミュニケーションを図っていくことができます。

これら従業員のエンゲージメントをアップして企業の力を最大化する事を、「ストーリーブランディングソリューション」と呼びます。ストーリーを構築し、価値観を共有、創業の思いや社会課題に対する向き合い方などを伝えていく。その為の施策を講じていくものです。

具体的な施策としては、オウンドメディアの構築、社内報、カルチャーブック、オフィスの構築などがあります。対象は従業員に対してだけではなく、社外に向けて発信することも、ひいては社内への波及となることも往々にしてあります。

ストーリーの構築。WHYの深掘りとは?

ストーリーのコアとなる企業の方向性を探るために有効なのはWHYの深掘りです。

「何故この会社・組織が存在するのか」企業にとってのパーパスやミッション、ビジョンをワークショップやグループインタビューなどを塔して、価値観バリューを言語化していく作業です。

ストーリーの方向性が見えてきたら、次はストーリーを伝える主体を考えます。経営者はビジョンやパーパスをストーリーとして伝える存在です。

ターゲットを明確にし、どういった変化を起こしたいのか?を言語化していきます。

誰に対してどうしていきたいのか、というところで様々な施策が考えられます。

これらの施策は広報や人事、経営などと合わせて全体で行っていくことが重要です。それによりエンゲージメント向上につながっていくのです。

ユーザベースのオフィスづくりから見る関係性

このインナーブランディングをオフィスづくりで体現したのがSPEEDA(スピーダ)やNewsPicks(ニューズピックス)でお馴染みの株式会社ユーザベース

急成長を遂げるユーザベースが、その過程でどのようにインナーブランディングを浸透させていったのでしょうか。

2008年、3人の創業者によって立ち上げられたユーザベース。当時は8.95坪のワンルームだったそうです。6回目となる2022年7月のオフィス移転では、1400坪、社員数は800名にまで増えています。

事業の急成長に合わせ、従業員も急増。オフィスを増床移転を繰り返してきたことが分かります。

3人からスタートしてから倍々で増えていく従業員。人が爆発的に増えたことで組織としての壁にぶち当たります。創業者の思いが伝わりづらくなってきたのです。

そこで行動指針として掲げているThe Seven Valuesが2012年に誕生しました。更に多様性を重んじるため、言語の壁・習慣の壁を乗り越え共通の理解を持てるようブレークダウンした「31の約束」を2014年に制作しました。

これらがユーザベースのカルチャーに繋がっているのです。「経済情報の力で、誰もがビジネスを楽しめる世界をつくる」という共有のパーパスに向かって、具体的な行動指針や考え、約束をきちんと言語化したのです。

創業時の思いが変わらないように、きちんと伝えていく為に段階的に可視化していきました。上のレイヤーのミッションやビジョンを重要にしつつ、社員へ浸透させ、同じ方向を向くためです。

オフィス移転では、出社率をどう考えるか、サードプレイスを使うかなど、下のレイヤーで議論するのではなく、きちんと上のレイヤーであるユーザベースのミッションやビジョンから構築を進めました。

新オフィスのコンセプトは創業者の一人である梅田氏が自ら作ったものです。

熱を生む場所、共創が生まれる場所、象徴となる場所の3つです。

ここに、更に加えたのがユーザベースが大切にしている多様性です。それぞれの価値観を大切にしていこうという思いと3つのコンセプトが合わさり、オープンコミュニケーションを体現できるような「街」にしようというイメージが形成されました。

【共創】が起こる場所

まずは 『共創』が起こる場所から見ていきましょう。

執務エリアもコワーキングスペースに近い作りになっているのが特徴で、チームで会話をしながら仕事ができるオープンな空間を更に3つにゾーニングしています。ダウンタウン、ミッドタウン、集中できる場所という形です。

ワンフロアで顔を合わせられる環境で仕事をしたいという創業時からの思いをそのままに、オープンな空間となっています。

【熱】を生む場所

次に「熱」を生む場所は、ユーザベースグループ全員が一堂に会する空間を体現しています。オンライン会議やイベント、リモートワークが日常的にできるようになった今、同じ場に集まることの利点は同じ空気、温度、感情を共有できることにあると考え、本物の熱量が生まれる場所を目指しました。

社内だけではなく社外のお客様とも同じ場に集まることで熱量を高められると考えています。

【象徴】となる場所

最後に『象徴』となる場所について説明します。

これは日本経済の中心地である丸の内にオフィスを構えることは経済情報の力を信じるユーザベースにとって非常に意義があります。アクセスの便もよく、従業員からもお客様からも高評価だそう。

ユーザベースのサービスでもある経済情報を発信できるダクト型のサイネージも象徴の一つです。

これら3つのコンセプトに多様性を加え、オフィスではなく街をつくろうというところからスタートしているのが今回のオフィスづくりの特徴です。オフィス内に縁石を敷き詰めて道を作ったり、ベンチやバス停、電話ボックスがあったりと、オフィスらしからぬ見た目に仕上がっているのも特徴です。

ミッション・ビジョンを大切にしつつ、多様性を受容し、変革を起こすというユーザベースのオフィス作りを紹介しました。

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